■ CEC- 足跡と展望
CEC株式会社(埼玉県さいたま市・代表取締役 石渡賢一)は、アナログプレーヤー用フォノモーターのOEMメーカーとして1954年に設立された中央電機株式会社がその前身です。その後主たる取引先である三洋電機のグループ再編等により事業部門の統合や移転を経てきましたが、2000年にわが国では数少ないオーディオ専業メーカー「CEC株式会社」として独立いたしました。
「CEC」ブランドとしては、当初アナログプレーヤーの生産が中心でしたが、CD時代に入り、1991年アナログ時代の技術蓄積とノウハウを活かした世界で唯一の「ベルトドライブ方式」のCDトランスポートの開発に成功しました。また、90年代半ばからは、新しい回路設計思想にもとづいたアンプ、DAコンバーターへと製品ラインナップも拡大、総合オーディオメーカーとして着実にその歩みを進めています。
弊社の製品開発コンセプトは、音楽ソースがもっている情報を可能な限りストレートかつピュアに再生し、音楽そのものの芸術性が自然にリスナーの皆様に伝わるようなオーディオ製品をご提供することです。
今後も弊社のコンセプトを積極的に押し進め、より独自性と完成度を高い製品の開発を目指してまいります。
■ TL53Z- 静寂から躍動へ。音の真髄をストレートに再現
CEC の新しい「53」シリーズは、現代の日本のライフスタイルに配慮し、コンパクト性を高めつつ、最新技術を惜しげなく織り込むことで、高級機に匹敵する高音質を実現したシリーズです。各コンポーネントの幅は従来のフルサイズコンポの1/2 に設計されており、例えば、アンプとCDプレーヤーを2台並べて使っていただくことで、通常のオーディオラックの1段分のスペースに設置していただくことができます。
「53」シリーズは、ヘッドフォンアンプの「HD53」に始まり、DAコンバーター「DA53」、フォノアンプ「PH53」、コントロール/パワーアンプ「AMP53」、真空管インテグレーテッドアンプ「TUBE53」と徐々に製品ラインアップを充実させてまいりました。各製品は組み合わせて使っていただく場合のメリットはもちろんですが、それぞれ単体としても、その音質への高い評価とユーザーからのご支持をいただいてまいりました。特にAMP53以降は、筐体に無垢のアルミを使用することで、さらなる音質の向上を図っています。
そんな「53」シリーズのラインアップに、このたび、待望のベルトドライブ方式CDプレーヤー「TL53Z」が加わります。本年1月発売の「TUBE53」、または、2月発売の「AMP53」とベストマッチングのCDプレーヤーです。
弊社独自の技術であるベルトドライブメカニズムは、ディスクに回転を与えるスピンドルから離れた位置にモーターを設置し、大型スタビライザー(重り)によって質量を高めたCD マウントそのものをベルトで駆動するという画期的なメカニズムです。振動や電磁ノイズを発生する可能性のあるモーターをCDの回転軸から物理的に離すことにより、音楽信号への悪影響は最小限に抑えられ、ピュアで繊細な音楽再生が可能になります。
弊社では、すでにトップローディング・ベルトドライブ方式を採用したレギュラーサイズのCDプレーヤー「TL51XR」を発売しており、ご好評をいただいていますが、TL53Zでは、そのメカニズムを踏襲・発展させるとともに、最新のデジタル/アナログ回路技術の搭載とアルミ無垢の筐体の採用によって、音のディテイルを一層瑞々しく表現することを目指しました。
■ TL53Zの主な特長
●CEC独自のベルトドライブメカニズムを、コンパクトな筐体にマウント
CD の振動を抑える大型スタビライザーの使用を可能にするトップローディング方式で、安定したディスク回転が可能となります。
●ロージッターの超安定クロックを採用
新開発ロージッター・クリスタルオシレーター回路を搭載により、正確でダイナミックな再生を可能にしました。
●最新鋭DAC をデュアル・モノ構成で採用
DAコンバーター部は、最新のバーブラウンPCM1792(192kHz/24bit) を左右独立に2 基搭載したデュアル・モノ構成です。また、オーバーサンプリングレートを32fs、64fsまたは128fsに切り替えられるほか、「FLAT」と「PULSE」のデジタルフィルターの切換えが可能です。デジタル信号の状況や条件変化に応じた設定を、聞き比べて選択することができます。
●ピュアな音楽再生を実現する独自のアナログ信号回路
アナログ回路は、「フルバランス/ 最短設計」となっています。CEC独自の「カレント・インジェクション」回路は、フィードバック回路を介さずにDAC の出力電流を電圧に変換。音質の劣化をもたらすネガティブフィードバック回路が回避されるため、データ上も聴感上も明らかな音質の向上をもたらします。さらにLEF(LoadEffect Free) 回路との融合により、音のディティール、 ハーモニー、広がり、ダイナミックレンジ、インパクト、正確性、すべてが向上しました。
●高性能スイッチング電源を採用。セクションごとに電源供給をセパレート
電源クリーン化装置を備えた高性能スイッチング電源の採用することで、AC 電源に起こる多くの問題を回避しました。さらに、トランスポート部とDAC 部への電源供給を分離。さらに、モーター、サーボ、デイスプレイ、デジタル回路、アナログ回路への電圧供給もセパレートされています。躍動的でクリアな、色彩感豊かなサウンドが生まれました。
●重量感のあるアルミニウム製筐体
筐体は、十分な厚みをもったアルミニウムを押し出し成形したものです。高い安定性と美しさが両立するようデザインされています。
●アナログ出力2 系統、デジタル出力3 系統
TL53Z のアナログ出力は、バランス回路を基本として設計され、出力端子は金メッキ処理されたXLR 端子です。アンバランス出力も、金メッキ処理された頑丈なRCA 端子を採用しました。デジタル出力は、AES/EBU(XLR)、COAXIAL( 同軸)、TOSLINK( 光) の3 種類を装備。幅広いデジタル機器との接続が可能です。 |