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ホーム/コラム/徒然野鳥記/第09回ヤツガシラ


第09回 2002/7/15
ヤツガシラ

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(08)ヤツガシラ「ブポウソウ目ヤツガシラ科」
    英名:(Eurasian)Hoopoe
    学名:Upupa epops
    漢字表記:戴勝
    大きさ:26cm   

日本では、迷鳥といわれてきたほどあまり数多くは見かけられていないようです。私も、数年前に一度、見沼田圃(さいたま市)で草むらに飛び降りる後姿を見かけたのが国内では唯一の観察です。ところが、「独り言」の今月号に書きましたように、先日出張したスペイン、マヨルカ島では、決して珍しい鳥ではなく、どうも一年中観察できるようです。とりわけ私が今回宿泊した友人宅の住所は、スペイン、マヨルカ島の Es Peput、Petra といい、Es Peput とは、スペイン語で「ヤツガシラ」のこと(英語の Hoopoe に何となく類似している気がしませんか)。つまり、ヤツガシラ生息地のメッカだったわけです。(日本でも、地名に鳥の名前が含まれているところは、大体、今はそうでなくともかつてはその鳥の主たる生息地であったようですが)

日本語では、「ポポポ」とこの鳥の声を表現することが多いようですが、鳥名は冠羽のめだつところからとり【戴勝とは、頭に勝(かざり)をもつとの意味、また、和名は、頭を「やつす」(おしゃれする)ことからとられたと思われている】、スペインでは「プー、 プー、プー」、英語圏では「フプ、フプ、フプ」と聞きなしたところから命名したものと思われます。

20年以上の鳥見人生で、日本では、わずかほんの一部を垣間見ることたった1回であったこの鳥が、ここマヨルカ島では、庭に座って待っているだけで、およそ1時間に1度は、地面に近いところ(1〜2mあたり)を、低くひらひらと飛んできてくれます。

冠羽を含めた頭部、胸は綺麗な橙色、羽は黒白の横に入った帯のコントラストがはっきりしている。飛んでいる姿では、この白黒の鮮やかな線が実に目立ち、頭部の柔らかそうな橙色との組合せで、かなりの遠距離からでもすぐこの鳥であることが一目瞭然です。

日本では、春、部分的に来る渡り鳥とされているようですが、観察が進むにつれ、次第に広い地域で見かけられているようです。埼玉県でも、比企丘陵「森林公園」で最近観察されています。ハトより一回り小柄な、よく目立つこの鳥を探してみてください。森林深くにひっそりと生息する鳥ではなく、比較的広々とした平野に求餌する鳥ですので、意外な近場で見かけることができるかもしれません。

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注:写真は、画面上をクリックすると拡大できます。