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第78回 2007/4/01
桜の季節と成りました

2007年も第一四半期を終え、今日から第二四半期、東北、北海道を除く日本全国で桜咲く4月となりました。比較的暖かかった2月が過ぎ、3月初旬の一時的な寒さもすっかり峠を越し、本格的な春の到来です。皆様いかがお過ごしでしょうか。

本年に入ってから、クラシック系の歌曲、「千の風になって」がラジオ、テレビで流れてくることが多くなりました。作詞者不詳とされる英語の原詩を、新井満氏が日本語に翻訳、そして作曲。 それを若いテノール歌手秋川雅史氏が歌い、クラシック系の歌としては珍しくブレークしています。原詩の作者については、とりあえずは作詞者不詳とされていますが、次のように作詞者は判明しているという意見もあります。

http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/prof/1000winds.html

1960年代から70年代初期までは、未だ日本の歌謡曲の舞台に、例えばバリトン歌手の立川澄人(大分県出身、後に清登と改名、1985年死去)が歌うクラシックの世界が、違和感を持たせることなく混在していました。それから30年を経て、大衆的といわれる歌曲の音楽世界は、世代ごとに、趣味ごとに細分化の一途をたどってきたように思われます。そのような状況の中で、クラシック系歌曲が、Jポップスや演歌、ロック、ニューロックの混在する音楽世界に大衆的な存在感を再度獲得しつつあることは喜ばしいことではないでしょうか。

この「千の風にのって」の原題、Do no stand at my grave and weep の詩を、ソプラノ歌手、塩谷靖子(しおのや のぶこ)さんが訳詩し、吉野慶太郎さんが作曲した、新しい歌曲、「千の風」として録音され、そのタイトルを冠したCDが最近、ユニバーサル・ミュージック(発売元:株式会社アットマーク)より発売されました。

http://www.nobuko-soprano.jp/2cd.htm

塩谷靖子さんには、当社の創立50周年を記念した、CEC第一回音楽祭(2004年、さいたま市埼玉文化センター)を開催した際、 A blind Angelとして、数々の独唱をお願いし、ピアノ伴奏のご令嬢とともに全面的にご協力を頂いたことがあります。この「千の風」は、ご本人にとって、最初のCD 「わかれ道」に続く2枚目のリリースです。40歳を過ぎてからのクラシック声楽会へのデビュー、まったく視力を失っている身体的なハンディキャップという二重の障害を乗り越えた努力の結晶にまず祝福のエールを送りたいところです。

最初のCD、「わかれ道」に比べて、全曲録音レベルが飛躍的に改善されています。初回CDがピアノ伴奏だけであったことからピンポイント・シングル録音したものと憶測されますが、今回は、オーケストラをバックにしたことから、マルチマイクによる録音と聞き取れ、独唱の音色とオーケストラを含めた全体としての音像がまったく鮮明なものとなっています。収録された全15曲のうち、4曲が初回CDの再録音曲(「お母さんおぼえていますか」、「夜店の唄」、「くちなし」、「落葉松」)ですが、いずれも初回録音に比べ際立って聞きやすく、音楽情報が増えた分だけ、情緒性あふれるものに仕上がっています。この中では、「落葉松」が秀逸。前奏に、原曲にはない音響的な工夫を加味しただけでなく、エンディングをオクターブ上げて余韻を楽しませる構成は、まるで新しい曲を聴くように興味を盛り上げますし、秋の森に響くソプラノならではの声の張りに若い息吹さえ感じます。

「千の風」の訳詩は、シンプル。情緒に流されることなく、原詩のもつ、ちょっと乾いた表現をうまく生かしているといえます。この英詩には「誰のために」という目的語は一切なく、「私は…」の連続なのですが、そう表現することで死後に残った人々への心の負担を減らそうとも読めるのですが、その本質的な部分をよく理解された上での翻訳だといえます。曲は、前奏部のピアノ伴奏部分がすべてを語っているといっていいくらいに、清らかで引き寄せられ、魅力的です。全体として、リズムに技巧走ったところがなく、静謐感あふれる仕上げと聞きとれました。かの聖路加病院の日野原重明氏が、推薦の帯を付けられたのも納得できます。

ところで、このCDをまずパソコンのCDドライブで聞いたのですが、私のパソコンのOSはWindows XP。それをまず基本ソフトに常設のMedia Playerで、そしてマッキントッシュのiTune の双方で聞いてみました。音質の相違は、それほどではありませんでした。iTune では、CDの中の全15タイトルが全て文字表現されますが、以前のWindows Media Player では、トラック番号のみの表示でした。選曲にあたっては、iTune が決定的に便利でした。ここであらためてアップデート情報からWindows Media Player 11をダウンロードしますと、見事に全てのトラックのタイトル表示がなされました。この点ではまさに互角の勝負というところでしょうか。

新入学、新入社の皆さんが入ってくる若々しさを感じさせる四月です。花の嵐がないともいえませんが、ちょっとここでご紹介した新しいCDでもお聴きになられて、春をお楽しみください。また四月中には、AMP53, TUBE53との組合せに絶好な、TL53Z ベルトドライブCDプレーヤーを発売開始する予定です。ご期待下さい。