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●「6L6GC」の実力、魅力を十二分に引き出す回路設計
TUBE53は、20W+20W(8Ω)の出力で、広大なダイナミックレンジを持つデジタルメディアも容易にドライブするパワーを備えています。
出力管には、「6L6GC」を採用。1930年代米国のRCA社が発売した6L6を原型とし、その後バージョンアップを重ね、安定性と信頼性を高めた真空管です。コンパクト性とハイパワー、ハイスピード性を兼ね備え、現代の音楽的要求に応えることのできる特質を備えています。6L6GCはその豊かな音楽性からギターアンプにも数多く採用され、数々の伝説的な音楽シーンを生み出したことでも知られています。
パワーアンプ部は、音質劣化の少ないムラード反転回路で反転信号を形成、4本の6L6GCは、各チャンネルあたり2本をプッシュプルで使用しています。自己バイアス回路を組み込むことで、出力管の長寿命化も図られています。全体として、NFB(ネガティブフィードバック)を必要最小限にとどめることにより、躍動感や生命感を損なうことなく密度の高い音楽再生を実現しました。
●高品位デバイスの採用で安定性とピュアな音楽再生を実現
アンプのキーデバイスである出力トランスは、オリエントコア材を使用し、熟練技術者の手作業で仕上げられた特製仕様です。位相回転がきわめて少なく、ストレートな音質を獲得。重量感のある低域、密度の高い中域の実現にもこの出力トランスが大きく寄与しています。
電源トランスは、立ち上がり特性の優れたトロイダル型を採用しました。ノイズ対策には、トランス本体を強固な鉄製の筐体に充填材で固定し漏洩フラックスを徹底して排除しました。
さらにTUBE53では、低歪タイプの高音質ボリュームを採用するほか、コンデンサーや抵抗にもローノイズの高級パーツを厳選。回路設計の意図をストレートに引き出しました。
●アナログ性と現代性を追求したデザイン
TUBE53は、真空管アンプが持つ独特の暖かみを、十分な厚みを持ったアルミ材を贅沢に使用した現代的な意匠の中で実現させました。無垢のアルミ材の使用は、音質の向上にも絶大な貢献をします。スリムで現代的な外観は、他の53シリーズと並べても全く違和感を感じさせません。熟達したガラス職人の手技が生み出す美しい曲げガラス製シールドを通して柔らかな光を放つ真空管は、あなたを深いリラックス空間へと導いてくれるでしょう。TUBE53はハイパワー、ハイスピード、コンパクトという現代的な特質とアナログ的な暖かみが高いレベルで融合した全く新しいコンセプトの真空管アンプなのです。 |
